「那覇へ飛べ!」 乗客とJALが3時間押し問答

http://www.asahi.com/national/update/1221/SEB200712210010.html

JAL広報によると、同機は午後4時5分に関空を出発。那覇で午後3時ごろから風向や風速が変わり出したため、機長が「安全に着陸できない」と判断。いったん鹿児島に着陸し、関空に戻ることにしたという。
ところが、鹿児島に着陸した後、那覇で待つ知人らから電話で「航空機が次々に着陸している」と知らされた一部の乗客が「那覇へ飛べるじゃないか」とJAL側に抗議。搭乗口の周辺で「関空に戻るなら乗らない」と押し問答になり、怒声も上がったという。

結局、午後11時頃、那覇へ向けて飛び立った、ということになったようですが、そうなると、機長による最初の判断は、一体、何だったんだ、ということになり、乗客に押し切られて航空機運行に関する判断が変わる、というのも、いかがなものか、という印象を受けます。那覇空港で次々と航空機が着陸している中で、さっさと関空に戻ろうとした、その判断がそもそも適切ではなかった、と言われても仕方がないでしょう。
JALの混迷を象徴するような出来事、という印象を受けます。

追記:

この件に関するはてなブックマークのコメントを読んでいると、以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050814#1123951402

などで何度か触れたことがある洞爺丸事故について触れたものがありました。
この種の判断を慎重に行うべきは言うまでもありませんが、慎重すぎる判断は、多くの利用者に不便を強いることにもなります。先日、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070703#p1

でも触れたような、かわいそうなことも起きることになり、何が適切な判断かは難しいものがあります。
この種の判断を行う立場にある人々は、羊蹄丸の船長や、ANAのディスパッチャーのように、その職にある限り、自問自答を繰り返すことにならざるを得ないでしょう。
JALとしても、この件をそのまま終わらせるのではなく、機長の当初の判断は正しかったのか、正しかったのであれば、乗客の要求に応じてしまったことは間違いであり断固として拒否するためには何が欠けていたのか、といったことを、今後のためにもきちんと検証しておくべきだと思います。