週刊朝日連載中止:取材拒否から2日後「経緯明らかに」

http://mainichi.jp/select/news/20121020k0000m040176000c.html

橋下徹大阪市長の出自に関する週刊朝日の連載記事は、橋下氏が「取材拒否」を表明してからわずか2日後の19日、連載中止が決まった。当初、同誌は「公人である橋下氏の人物像を描くのが目的」と強気の主張をしていたが、批判の声が広がって追い込まれた。「なぜ事前に問題に気付かなかったのか」。被差別部落の問題に詳しいジャーナリストらは疑問の声を上げた。

私は、実家で昔から週刊朝日を定期購読していたので、その流れで今も定期購読しているのですが、昔は、新聞社系の週刊誌らしく(?)、センセーショナルな話題を追うという誌面作りではなかった印象があります。最近は、販売部数を伸ばしたいという意図からと思いますが、その時々の話題を、センセーショナルに取り上げる傾向が強まっていて、昔とは傾向がかなり変わったな、ということは感じますし、そういう中で起きたのが今回の件であった、ということも言えると思います。
私自身の、この件に関する見方は、

<橋下市長>週刊朝日「不適切な記述」と謝罪 取材拒否問題
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20121018#p2

でコメントした通りですが、週刊誌関係者がよく口にする「編集権の独立」は、「何をやっても許される」ということを意味するものではなく、法令や社会の中で守るべきルール、社会常識に反しないように、まずは自律的に内部できちんとチェックする体制が必要でしょう。単なる形式、名目ではなく、記事が出てしまう前に、問題があれば具体的に指摘するとともに、出てしまえば今回のような大問題を引き起こし醜態をさらしてしまうのであれば、緊急に差し止めるだけの力を持った存在を内部に持っておかなければ、外部の力で押しつぶされてしまいかねない、ということを、改めて考えておくべきではないかと思います。そういったことは、過剰な自主規制やあるべき表現の萎縮、といったこととは切り分けて、真剣に考えるべきでしょう。