情報収集ツールバー、「履歴提供」に苦情相次ぐ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120903-00000616-yom-soci

同サービスでは、ネット上で同社が提供しているツールバーをパソコンにダウンロードし、ネット検索に使うと、1日あたり1個の「スタンプ」をもらえる仕組み。スタンプは2個でTポイント1ポイント(=1円分)で、全国4万7000の加盟店で使える。その代わり、そのパソコンで閲覧したすべてのサイトのURL(ネット上の住所)や検索キーワード、アクセスした日時などの情報が収集され、同社関連会社の広告会社に送信。同社側がデータベース化してダイレクトメールの送付や市場調査に利用する予定だった。
ところがサービス開始直後から、セキュリティー上の不安を訴える声が噴出。情報送信の際に暗号化処理をしていないため、一定の知識があれば、簡単にこうした情報を盗み取ることができる状態だったという。

こういった情報は、今や「宝の山」ですから、こうした手法で情報を集めたい、という、集める側の需要、意欲はそれなりにわかりますが、何が起き、どういう情報が収集され、どういうリスクがあって、といったことは、利用開始にあたり十分説明されておく必要があるでしょう。こういった情報を、すべて暗号化して送る、ということになれば、手間やコストもかかり、また、閲覧情報を誰かに知られることが起きたとしても気にならない、構わない、という人もいるとは思いますが、個人差はあり、リスクに配慮した仕組み作りが必要である上、説明を丁寧に行った上での、個々の適切な理解、判断に基づく利用でなければならないと思います。
こうした、情報収集の在り方に関する紛争が、最近、目立ちますが、現行の個人情報保護法が、情報の適正な取得を求めているものの、何が「適正」な方法なのかについて、法令上、曖昧なままになっているのではないかと思われ、特に情報取得の手続、方法について、指針、基準を、より具体的に法令で定めて、それを逸脱した問題ある事案には行政上の措置により是正を命じたり、従わない場合には刑事罰を科す、といった仕組みづくりも、今後、検討の必要がありそうです。