ドラクエX“ダイス賭博”指摘にスク・エニが見解

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120830-00000088-zdn_n-inet

ダイス機能では、チャット機能を利用して1〜100までの数字がランダムに表示される。これを使って「ゴールド」を賭け、さらにRMTリアルマネートレード)によって換金可能になれば賭博罪が適用される可能性があるという指摘が出ている。
スクウェア・エニックスは同機能について、ゲーム本編に関わる要素ではなく、「お客様に自由な遊びを作り出していただくためのもの」と説明。ゲーム内アイテムやゴールドは無償で提供されている上、「ユーザー同士のアイテムなどの交換行為は当社が主体的に実施しているものではなく、かつ、外部Webサイトでのアイテム等の売買は利用規約において禁止している」として、同社が賭博罪・賭博開帳罪に問われる可能性はないという認識を示した。

この問題は、以前からくすぶっていて、

ソーシャルゲームが抱える潜在リスク 「射幸心」あおる仕組みとは
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120410#1334063599

でもコメントしたことがありますが、焦点は、おそらく、その際のコメントの中での、

その結果としてユーザーが財物を獲得する、という点が満たされず、賭博罪の成立は難しいだろうとは思いました。ただ、こうしたゲームにより獲得したポイント等が、RMT(リアル・マネー・トレード)という形態で換金性が高くなれば、ユーザーが実質的に財物を取得している、限りなく賭博に近くなる、という評価は、十分あり得るのではないかと思います。

という点ではないかと思います。
解釈上、「財物」は有体物に限られず、広く財産上の利益であれば足りる、とされていて、運営者がRMTを禁止していても、ポイント等が広く取引の対象となっていて社会通念に照らし財産的価値を持っていることが広く是認されている、という状態に達していれば、賭博罪における財物(財産上の利益)にはあたり得るでしょう。現状で、その域に達していると断定まではできませんが、そう見られないことはなく、かなりグレーな状態にはある、と言えると思います。少なくとも、理論上は、実態としてRMTで換金されているポイント等を賭け偶然により勝ったり負けたりするという形態のゲームについて、刑法の賭博罪等(常習賭博罪、賭博開張図利罪も含め)が適用され捜索差押許可状や逮捕状、勾留状は出てもおかしくないレベルにはある(起訴、有罪まではともかく)とも言えるように思います。
その意味で、こういった分野に関わる人々は、気がついたら手錠がかかっている、などといった状態にならないよう、それぞれの自己責任において、慎重に対応する必要があるでしょう。