三重遺棄「借金返済で言い争い」 逮捕の男が供述

https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201506/0008138823.shtml

容疑者(41)が「借金の返済を催促され、言い争いになった。坂場さんの車のキーとスマホを川に捨てた」という趣旨の供述をしていることが20日、捜査関係者への取材で分かった。

刑法の財産犯で、「財産上の利益」を取得する形態のものが処罰されている場合があり、強盗でも、刑法236条で、

1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

と、「財産上不法の利益を得」る強盗が処罰されています。これを「2項強盗」と言うことがあり、人を殺害することで強盗殺人罪にも問われることになります(240条)。
この事件のように(あくまで報じられている限りにおいてですが)債権者を殺害するケースでは、債権は相続人により承継され理論上は殺害により直ちに債務を免れるわけではない上、債権者殺害により直ちに強盗殺人を認めることは成立範囲が広すぎるという問題意識の下に議論されていて、債権者側の処分行為は不要であることを前提に(この点については判例が確立しています)、相続人の不存在や証拠書類の不備等のため債権者側の債権の行使を不可能もしくは著しく困難にしたときのほか,債権者側の速やかな債権の行使を相当期間不可能にしたときも含めるという見解もあって(この点については争いがあります)、事案によっては成立が微妙になることもあり得ます。行為者に「財産上の利益を得る」という故意があったかどうかも問題になります。
この事件でも、今後、強盗殺人罪が視野に入れられつつ、そういった問題点も意識されながら捜査が進むことになるでしょう。