公判部長も改ざん疑惑認識 前特捜部長「任せてほしい」

http://www.asahi.com/national/update/1016/TKY201010160314.html
http://www.asahi.com/national/update/1016/TKY201010160314_01.html

最高検の調べで、この公判部主任検事が、直属の上司である公判部長の女性にも報告していたことが新たに判明。公判部長は「特捜部長に報告しておく」と答え、大坪前部長に伝えた。だが、「特捜部の話なのでこちらに任せてほしい」と言われ、検事正と次席検事には報告しなかったという。

特捜部が起訴した事件も、かつては、公判部の検事が主任となって公判に立ち会っていたものでしたが、引継が不十分で問題が生じるなどしたため、次第に、難事件であればあるほど、公判部の検事は形式上、立ち会うだけにして特捜部の検事が実質的に立ち会うようになってきた面があります。私が主任弁護人を務めている、朝鮮総連中央本部を巡る詐欺事件でも、そういう立会態勢が取られていました。
そういう状況になると、公判部は、一応、形式上は決裁ラインの中にいても、実質上は「蚊帳の外」状態になる傾向があって、上記の記事にあるように、何か問題が起きても、特捜部から「特捜部の話なのでこちらに任せてほしい」と言われれば、特捜マターだからそれ以上介入できない、ということになりがちです。
しかし、本件では、事が事だけに、それで黙って指をくわえて見ているだけで済ませるべきではなかったと言うべきでしょう。