http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091021-00000085-jij-soci
大阪高検は21日、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」開発者で著作権法違反ほう助罪に問われた元東大助手金子勇被告(39)を逆転無罪とした大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。
地裁の初公判の前ですが、東京で、私やこの問題に強い関心を持つ弁護士数名が集まり、高名な刑事法学者をお招きして、勉強会を行ったことがありました。その際、私自身も、起訴されたような行為につき、幇助犯不成立とする構成(既に本ブログでも紹介しているような内容)をいろいろと考えてご意見をうかがいましたが、従来の幇助犯理論では正犯の行為を容易にすると認識・認容して行為に及べば幅広く幇助犯が成立するとされ、限定するのはかなり困難であるというご意見であったと記憶しています。
従来の幇助犯に関する判例を精査したわけではありませんが、先日の高裁判決が、かなり新しい問題点につき、新たな問題意識に基づいて出されだけに、上告理由の1つである「判例違反」に該当しそうな過去の判例は、おそらく、複数存在するのではないかと思われます。
問題は、そういった、「インターネット以前」に形成されてきた過去の判例を、本件にそのままあてはめてしまって良いか、ということであり、最高裁には、従来の古い判例理論にとらわれない、新たな判例を作るという取り組みを期待したいと思います。