http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090804/crm0908041004006-n1.htm
以前から蔓延(まんえん)していると指摘されている芸能界でも、逮捕者が後をたたない。
日本における薬物事件の捜査は、主に警察が担っていますが(厚生労働省管轄の麻薬取締官事務所も捜査しますがウエイトは低い)、捜査機関は、様々なルートから常に情報を収集して端緒を得ようとしている上、一旦、検挙者が出ると、そこからさらに情報を得て捜査対象を広げて行きますから、人知れず薬物を入手、使用等しているつもりであっても、捜査機関の知るところになる、という可能性はかなり高いと思ったほうが良いでしょう。芸能人ということになると、その行動が、一般人とは比較にならないほど多数の人々の目に触れているわけですから、検挙される可能性も、それだけ高くなります。
私は、検察庁在籍当時から今に至るまで、接した薬物事犯の被疑者、被告人が、おそらく1000人単位になるので、その傾向はわかりますが、元々、意思が弱い人が多く、それだけに、一旦、手を出して魅力を知ってしまうと、意思が弱いだけになかなか手が切れないという傾向が顕著にあると思います。芸能界で享楽的な生活を送り薬物の誘惑が常にあるような人は、一旦、手を出したら泥沼、蟻地獄のように抜けられなくなるという意識を強烈に持ち、絶対に手を出さないようにすべきでしょう。
追記:
<押尾学容疑者>「死亡した女性と固形物を飲んだ」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090805-00000045-mai-soci
合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕された俳優の押尾学容疑者(31)が「死亡した女性と錠剤状の固形物を飲んだ」と供述していることが、分かった。捜査関係者が明らかにした。女性はその直後に体調に異変をきたし死亡したとみられ、警視庁は、固形物と死亡の因果関係について捜査している。
警察は事件性がないと見ている、という報道がありますが、女性が体調に異変を来した後、生存に必要な保護をしない、そのまま立ち去る、といった行為があれば、保護責任者遺棄(不保護)罪、そういった行為と死亡との間に因果関係があれば、同致死罪が成立する可能性もあるでしょう。解剖や病理検査の結果を精査しないと死因が特定できませんが、そういった犯罪の成立可能性も視野に入れ、警察が慎重に捜査を進めているという可能性も、現時点で100パーセント否定しきることはできないような気がします。