江東バラバラ控訴審初公判 検察側改めて死刑求める

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090611/trl0906111109002-n1.htm

 この日は東城さんの母と姉が証人として出廷、「この事件は人がするものではない。(東城さんは)何も悪いことをしていないのに不公平だ」などと1審判決を批判した。

検察庁が量刑不当を理由に控訴した場合、1審判決について被害者や被害者遺族の意見を聞いて調書化したり、控訴審で証言してもらう、ということはよく行われます。
昨日は、夕方、TBS緑山スタジオにいたところ、日本テレビの「スッキリ」スタッフから電話があって、スタジオの外の電波状態の良いところで、携帯電話で取材を受けましたが、関係者に対する取材の中で、新潟で長期間にわたり女性を監禁した事件が参考判例として問題になっている形跡があるということだったので、本件の場合、被告人がわいせつ目的で被害者を略取し自室に監禁状態に置いた上、殺害するに至っていて、殺害に至る事情を、量刑上、どこまで考慮すべきか検討する上で、新潟事件が検討されているのではないか、という意見を述べておきました。
以前、

<江東バラバラ殺人>被告に無期懲役 東京地裁判決
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090218#1234920908

でもコメントしたように、本件は、従来の量刑相場に照らせば無期懲役になる事件ですが、厳罰化が進む中、この種の事件には死刑をもって臨む場合があるという方向へ裁判所が踏み出す可能性もないわけではない、と私は考えています。
東京高裁の山崎学裁判長は、慎重に検討、判断するタイプなので(ある事件で接したことがあって、量刑についても安易に検察官の言いなりにはならない、という印象を私は持っていますが)、慎重の上にも慎重に検討した上での判決となるでしょう。