刑事訴訟法(安冨潔)

刑事訴訟法

刑事訴訟法

著者の安冨先生とは、何度かお会いしたことがあり、ご指導を受けたこともありますが、1冊贈っていただきました。ありがとうございました。
本の帯に「初学者でも読める 実務家でも使える」とあって、本当かな?と思いつつざっと目を通してみましたが、確かに、基本的なところと専門性が高いところがうまく書き分けてあって、読みやすさ、わかりやすさといったことに対する配慮が、かなり成功しているという印象を受けました。
著者には、

ハイテク犯罪と刑事手続 (慶応義塾大学法学研究会叢書)

ハイテク犯罪と刑事手続 (慶応義塾大学法学研究会叢書)

といった著書もありますが、そのあたりの成果は、通信傍受令状や電磁的記録の捜索・差押えについて、独立した節を設けて丁寧に説明されているところにも反映されていると思いました。
なかなかのボリュームがあって、特に初学者には読むのに骨が折れる思いがする人が少なくないかもしれませんが、こういった良書を読み込んで行くことで、刑事訴訟法、刑事手続といったことについて重厚に勉強しておけば、法曹になっても自信を持って仕事ができるのではないか、という印象を受けるものがありました。