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国家のために命を張る“平成の是清”はどこにいるのか?
- 作者: 松元崇
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
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最近、購入して、まだ少し拾い読みした程度ですが、大蔵大臣として軍事費抑制のため軍部の圧力に抵抗し、2・26事件で惨殺された高橋是清の歩みが、当時の社会経済情勢も含め克明にたどられていて、かなりの労作という印象です。著者も言うように、幾多の困難な問題を抱え先が見えない今こそ、高橋是清の歩みに学ぶべき点は多いように思います。
昨年、江戸東京たてもの園へ行ったのは、そこに移築されている旧高橋是清邸を見てみたいと思ったのが主な理由でした。邸内を見て回り、おそらくここでその生涯を閉じたであろうと思われる部屋も見て感慨深いものがありました。財務大臣が重要な国際会議の後の記者会見で醜態をさらしても、見苦しい言い訳を繰り返しながらドタバタする中で辞職すれば済んでしまう今とは異なり、国を思い国のために職務に邁進することが生命にもかかわる時代もあったということに、正に隔世の感があります。
国民としては、青い鳥を探し求めるように、「平成の是清」を、今後も探し求め続けることになりそうです。