広島の小1女児殺害控訴審 判決要旨

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/081209/trl0812092055025-n2.htm

調書を取り調べれば犯行場所について真相が解明される可能性があり、そうすれば被告人が否認しているとはいえ犯行態様が相当程度明らかになると考えられることなどにかんがみると、犯行場所をあいまいなままにして、検察官および弁護人双方の量刑不当や弁護人の事実誤認の主張を判断するのは相当でない。

要するに、公判前整理手続の段階で争点や証拠が十分整理しきれておらず、公判段階で中途半端な証拠調べしかしていないので、その辺をもう一回やり直し、出直して高裁へ来い、ということでしょう。これだけの重大事件で、これだけ審理不尽が指摘されるのも珍しい思います。
昨日のエントリーでは、てっきり、死刑方向での破棄かと思いましたが、どうも、そこまで踏み込めなかったようであり、量刑の問題は今後へ持ち越された、と見るのが妥当のようです。
公判前整理手続の結果に拘泥しすぎると、こういった審理不尽が生じてしまいかねないという、教訓を含む事件として刑事事件史に残りそうです。必要に応じ、期日間整理手続を入れて修正を図るなど、柔軟な訴訟進行も必要、ということかもしれません。