https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170712-00000063-asahi-soci
「不相当」の決定は、過去の違法残業事件でも出されたことがある。大阪区検が略式起訴したレストラン経営会社「サトレストランシステムズ」とスーパーマーケット経営会社「コノミヤ」について、大阪簡裁は3月に相次いで「不相当」と判断。正式な裁判を開いた。
刑事手続上、簡易裁判所での罰金、科料相当事件で被疑者に異議がなければ、検察官が起訴の際に略式手続を求め、公判を開かず裁判官が事件記録を検討した上で罰金刑を科すことができます。
ただ、刑事訴訟法では、463条1項で、
前条の請求があつた場合において、その事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。
とされていて、電通の事件では、この「相当でない」という判断がされたようです。何が不相当かについては、裁判所の合理的な裁量に基づいて決められるものですが、事案が複雑であるとか、略式手続では適正な事実認定、量刑が行えないなど、略式手続に馴染まない場合が不相当ということになるでしょう。
略式手続では公判が開かれず、証拠の内容が国民にはわかりませんが、公判が開かれることで、国民が傍聴できる状態の下、審理、判決が行われることになり、女性社員の自殺という悲惨な結果が端緒となって展開された事件に、ここへ来て改めて大きく注目が集まることになりました。