「法科大学院 多様な人材登用はうそか」(10月23日朝日新聞朝刊「私の視点」)

ボツネタでも取り上げられていました。

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20081023/p15

記事では

すんなり合格していくのは、法学部卒業の「既習者コース」履修者ばかり。

といったことが、つらつらと書いてあって、気持ちはわかる気がしましたが、この道の厳しさ、ということが、今一つ良く理解できていないのではないか、という印象を受けましたね。
司法試験で(旧であっても新であっても)求められている法解釈力や法的思考力、様々な知識、法的に考え、読み、書く能力、といったことは、言うまでもなく専門的なものであり、一種の「職人」的な熟練を求められる面があります。法学部出身者は、既に大学で一通り法律について勉強をしてきているわけですから、そういった人々と肩を並べ、さらに抜き去るためには、未習者としてよほど努力しないと、朝日新聞の紙面を借りて愚痴を述べて終わる、ということになりかねないでしょう。そういった、法律学習の厳しさ、難しさに思いが至っていないのであれば、早くそのことを理解するか、潔くあきらめ他のもっと自分に適した進路を探すべきではないかと思います。
前に、私自身の受験生活について、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070228#1172672685

と振り返ったことがありましたが、こういった生活にじっと耐える中で、非常にわずかなチャンスに賭ける、というのが、そもそもの司法試験というもので、甘い世界ではない、ということは、目指す前にしっかり認識しておく必要があります。
ただ、現在の法科大学院制度が、特に未習者にとって、学びやすく、学習した内容が着実に身につくものになっているか、ということについては、かなり改善を要する点があるのは確かです。どういった方向で改善すべきか、については、既に本ブログで繰り返し述べていますので、興味ある方は過去のエントリーをご覧いただければと思います。