忘れない:記者の目 未解決事件、「風化」押しとどめよう=大坪信剛

http://mainichi.jp/select/jiken/coldcase/news/20080610org00m040001000c.html

「殺人で時効」の毎日新聞記事は、この10年で105件もあった(サンデー毎日3月16日号「凶悪事件にもう時効は必要ない!」)。それだけ逃げ切った犯人がいたことになる。そうなる前に、みなさんに思い出してもらい、被害者の無念に応えたい。

本ブログでも、「時効警察」というカテゴリを設けて、時々、時効が成立してしまった、あるいは、成立することが確実な事件についてコメントしていますが、特に殺人等の凶悪、重大事件にあっては、時効になりました、一生懸命やりましたが仕方がありませんでした、で軽く済ませてしまうべきではない、という思いが、私自身の中にあります。難しい事件というものは、次第に、見るのも嫌になる、という面がありますが、やはり、積極果敢に、解決へ向けて最後の最後まで粘りに粘って努力する、ということが必要でしょう。検察庁にしても、警察にしても、私が検事に任官した頃は、そういった、「昔気質」の職人にような人が結構いたのが、次第に減り、代わりに、といっては何ですが、私は決まったことしかやりません、無駄なことはしたくありません、でも偉くはなりたいんです、といった人間が、ウイルスのようにまん延しつつある、という印象を受けています。そういった悪性のウイルスのような人間たちに、いかに組織としてむしばまれないようにするか、良い部分をいかに生かし拡大して行くか、ということも、今後の課題でしょう。