【セレブ妻公判】検察「再鑑定」も検討 「心神喪失」鑑定の手法めぐり混乱

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080312/trl0803121159014-n1.htm

「セレブ妻」というのを、記事の見出しに持ってくるのは、そろそろやめてはどうでしょう。>産経新聞

前回の公判で両鑑定医は、資料を共有し心理テストなども分担して行ったことを認めている。鑑定結果の報告でも、犯行に至る経緯と、犯行の前後にわけて、それぞれが説明するという方法を取っていた。
検察側は、共同鑑定として委託されていないことを理由に、再鑑定の請求も検討している。

心理テストなどの基礎資料は、情報として共通のものを使用しても差し支えないと思いますが、鑑定として別個に命じられたにもかかわらず、相互に影響しつつ、実質的な「共同鑑定」として行ったのであれば、双方の鑑定の信用性に影響する、ということはあり得るでしょう。
裁判所は、おそらく、裁判員制度を見据え、複数の鑑定を同時に行うことで、比較検討を可能にし、裁判員への「わかりやすさ」や、鑑定後の再鑑定による審理の空転を回避するスキームを先例として残してみようと考えたものと推測されますが、裁判所が思い描くようには現実は簡単なものではない、ということでしょう。