直属上司も通報を把握=伊藤前市長射殺−長崎県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070706-00000102-jij-soci&kz=soci

最初に通報を受けた長崎署刑事課の捜査員が直属の上司に内容を伝えていたことが6日、分かった。

先日、

真珠湾<奇襲>論争 陰謀説・通告遅延・開戦外交 (講談社選書メチエ)

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を読んで感じ、また、以前、

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)

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を読んだ際にも感じましたが、入手する情報の多寡、重要性ということと、入手した情報を生かせるかどうか、ということは別問題であり、重要な情報を多く持っていても、生かせなければ無いのと同じ、少ない情報でもうまく生かすことで十二分に活用できる、ということだと思います。
特に、上記の記事にあるような、「危機」に関する情報には、そういった性格が非常に強く出るでしょう。情報に接し、分析し、その中にふくまれる重要性を的確に認識、理解して、うまく生かすことは、やはり、そういった作業を行う人間の資質、力量に大きく依存し、そういった人材の育成、教育、ということは、一朝一夕では無理で、時間をかけ、地道に粘り強く行って行くしかないと思います。こういう能力は、ただ仕事を一生懸命やっていれば身につくものでもなく、自ら意識して読書したり、他人の話を聞いたり、自分なりに頭を使って考えてみる、といった作業を、何年、何十年と継続することも必要で、そういった努力が何の役にも立たない、ということも当然あり得る、という、報われることが少ないものでもあると思います。
そういった物事を見る目のある人が、故・伊藤市長を救うことができた情報に接し生かせなかったことを、非常に残念に思います。