http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070528-00000401-yom-soci
誤った有罪判断に基づいて執行猶予が取り消された受刑者の救済のために、恩赦が適用されたケースは過去に例がないという。
恩赦を受けたのは、自動車販売会社を経営する川崎市の男性(46)。男性は2001年7月、恐喝罪で懲役3年、執行猶予5年を、02年6月に傷害罪で懲役1年、保護観察付き執行猶予5年を言い渡され、いずれも確定した。
両事件で執行猶予中の05年11月、男性は再び脅迫罪で起訴され、東京地検は1審公判中の06年5月、男性の執行猶予取り消しを求める裁判を申し立てた。
確かに、このような経緯の中では、恩赦しか救済方法がないでしょう。恩赦には、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除、復権がありますが、このケースで行われた可能性があるものは、特赦、減刑、刑の執行の免除で、いずれかが行われたものと思われます。
昔、早稲田大学法学部で勉強していた際に、中野次雄先生(元大阪高裁長官)の講義を受けていたことがあり、その際、中野先生から、戦後の恩赦法立法を担当した経験談を聞いたことがありました。戦前までの恩赦が、文字通り、天皇による恩典、という性格のものであったものを、国民主権にふさわしい、かつ、恣意的な運用とは無縁なものにするべく、検討の上、立法に至ったというお話を聞いた記憶があります。その時聞いたのか、後に別の機会に聞いたのか、記憶が曖昧になっていますが、冤罪とか刑が不当に重すぎたケースなどを恩赦で救済する、ということも積極的に行うべきである、という話も聞いたこともあります。
恩赦法の存在価値を感じさせるニュースだと思い、また、中野先生のことを思い出しました。