私の司法試験受験時代

真剣に勉強しているかどうかの判断基準
http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/965ec3b9f3e6cb982b8b816265b50e1a

を読んでいて、自分が司法試験受験生の時は、どういう生活を送っていたのか、を、少し思い出してみました。
一番勉強していたのは、大学3年生の択一合格後から、大学4年生の最終合格までだったと思いますが、思い出してみると、大体、こんな状態でした。
平日(土曜日含む)は、午前9時から午前10時の間くらいに大学(早稲田大学法学部)へ行き、昔の8号館(今はない)の4階にあった学生読書室(通称「よんどく」、4階にある読書室なので)で席をとり(殺風景な、仕切りのあるブース席が並んでいました)、基本的に、そこで勉強し、時々、学部の講義に出たり、法職課程教室(大学がやっていた予備校のようなもの)の講義に出たりしていました。学生読書室は、通常、午後9時までで、司法試験の前になると午後10時までやっていたので、終了時刻までそこで勉強し、その後は自宅(私は大学から歩いて20分くらいのところにある風呂なし・共同トイレの6畳一間のぼろいアパートに住んでいました)に戻り、引き続き、午前1時か午前2時ころまで勉強していました。自宅に戻ると、さすがに疲れていたので、テレビをちらちら観ながら予備校でもらった資料を整理しつつ読んだり、といった、やや軽めの勉強をしていたように記憶しています。当時、深夜にテレビ朝日でCNNのニュースを紹介する番組をやっているのをよく観ていて、スペースシャトル(チャレンジャー号)の爆発事故が起きた時にも、確か、自宅で資料の整理か何かをしながら実況生中継を観ていて、事故を知り、椅子から転げ落ちるほど驚いた記憶があります(本題とは関係ないですが)。
日曜日は、司法試験の直前以外は大学の学生読書室に入れず、遊んでいるわけにも行かないので、(前にも書いたことがあったと思いますが)大学3年生の時の択一試験直後から、日曜日に、合計6時間の講座(憲法民法、刑法)をビデオで受講する、ということをするようになりました。これは、大学4年生の春先くらいまで続けていたと思います。せっかく受ける以上、きっちりやろうと思い、予習、復習も真面目にやったので、かなりきつかった記憶がありますが、何とかこなすことができた、という状態でした。
こういう状態で、やることが多く、忙しいので、遊んでいる暇などなく、飲み会等は見送ることが多かったと記憶しています。クリスマスも盆も正月もなく、大学3年生の時の年末年始は、帰省せず(と言うか、できず)、自宅にこもりきりになって刑事政策の勉強をしていました。
今でももてない私が、こういう状態で彼女とデートなどできていたか、ということについては、もう言うまでもないでしょう。
かなり無理をしたせいか、最終合格した年の2月、3月ころ、体調が良くなく、一月に1度か2度くらい、まったく起き上がれない日があって、仕方がないので、そういう日は自宅で寝て過ごしていました(疲れとストレスのせいでしょう)。
世の中には、私よりも頭が良く要領も良い人はいくらでもいますから、もっと楽な受験生活を送り、大学生活をエンジョイし、余裕で司法試験に合格、という人もいたと思いますが、そういう話を聞いたことは、当時、なかったですね。合格者は、皆、それぞれ、苦労して勉強していて、勉強がハードであることは当然、というのがごく一般的な意識だったと思います。
上記のエントリーでは、コメントの内容について、「甘い」と批判されていましたが、時代が変われば制度も人の意識も変わるとはいえ、こうして昔のことを思い出すと、受験生の意識も変わったものだな、自分を徹底的に追い込んで顔の形が変わるくらい勉強する、という経験をしないまま合格という果実を早々と得てしまった人のその後が他人事ながら心配だな、と思った次第です。