隠された証言―日航123便墜落事故

隠された証言―JAL123便墜落事故

隠された証言―JAL123便墜落事故

2003年に出た際に購入し、少し読んでそのままになっていたものを、最近になって最後まで読みました。著者は、元JALのパイロットで、この事故だけでなく航空機事故に強い関心を持って、いろいろな活動を行っています。
日航ジャンボ機墜落事故について、事故調査委員会は、ボーイング社による修理ミスが原因となった圧力隔壁の破断、それによる急減圧、垂直尾翼の破壊、というプロセスをたどった、という結論を出していますが、この本では、「急減圧」について、具体的な根拠に基づいて強い疑問を投げかけており、私のような素人でも、急減圧が実際に存在したとは到底思えない、という印象を強く持ちました。
520名もの死亡者を出した、日本航空史上、空前絶後の大惨事について、今なお正確な原因が解明されているとは言えないことは、やはり小さな問題ではないでしょう。
事故原因が徹底解明されず、刑事事件として誰も処罰されることもないまま現在に至っている、という事態に対する犠牲者や関係者の様々な不満、怨念等々が、JALを現在の窮状へと追い込んでいるような気が、この本を読みながら、ふと、しました。