裁判員制度、企業の51%「業務に支障」・日経調査

http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2007012008404b1

最近、新聞記事を読んでいたところ、死刑宣告に関わった裁判員が、判決日の翌日から平常心で業務に就けるだろうか、と不安に思っている人事担当者の声が紹介されていて、もっともだな、と思いました。死刑だけでなく、有罪、無罪が熾烈に争われたような事件、有罪に争いがなくても無期懲役などの重刑を宣告した事件など、我々のような訓練を受け経験を有する者であっても心重い事件に、経験のない裁判員が関われば、心に癒しがたい傷を負う、ということも十分あり得るでしょう。
真実というものは、解明されればされるほど、見たくなかった、解明されないほうがかえって救いもあった、と感じるようなものが多く、真実を知るということは、辛く苦しい坂道をあえぎながら登って行くようなものと言っても過言ではありません。そういう辛く苦しい場に、国民の皆さんにおつきあいいただくということの重苦しい意味を、この制度に賛成した人々のどれほどが真剣に考えただろうか、などと今さら言っても、もう手遅れです。
裁判員に対する心理面での「支障」に対するケアも、十分想定して備える必要があると思います。