福島前知事逮捕、兄弟「二人三脚」の錬金術 「弟は一体」

http://www.sankei.co.jp/news/061024/sha006.htm

そこでスーツ社の経営実態の解明を進め、祐二容疑者が経営について佐藤容疑者に細かく報告していた実態を把握。佐藤容疑者が土地取引直前の14年5月まで取締役を務めていたことなども考慮し、兄弟2人を法律上の「共謀共同正犯」と位置づけた。
職務権限を持つ佐藤容疑者が自らわいろを受け取らずとも「身分なき共犯」の弟に、代わりに受け取らせたという構図で、2人を立件可能と判断した特捜部は、知事選の告示を3日後に控えた23日、急転直下、佐藤容疑者を逮捕した。

この程度の荒っぽい証拠(?)で、特捜部が勝手に構図を描いて身柄をとってしまったとは考えにくいので(このままの証拠関係では起訴が危ういでしょう)、もっと深い部分で共謀等を裏付ける証拠を確保しているのだろう、とは思いますが、今後の捜査に待つしかないですね。
「共謀」認定の難しさ、私が以前から共謀罪に関して繰り返し指摘している危うさ、ということも、改めて思いました。
共謀罪については、

共謀罪」創設、今国会成立を断念…重要法案を優先
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061024it01.htm?from=top

と言うニュースが流れていますが、真相はどうでしょうか。ロンドンには海渡先生も来られているので、状況を聞いてみたいと思っています。

追記:

「前知事弟経営の会社幹部が自殺未遂…地検聴取当日に」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061024-00000207-yom-soci

この幹部は03年7月に解散した栄佐久容疑者の政治団体栄和会」の会計責任者を務め、収賄容疑となったスーツ社の土地取引当時、同社の取締役だった。

元知事は否認、弟も否認ということで、共謀、共犯性を認定するために誰かの供述をとらなければ、という、かなり無理な捜査が行われているのではないかと危惧されます。
こういった報道に接すると、共謀罪が成立した場合の恐ろしさ、ということも、感じずにはいられません。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060613#1150154378

捜査は供述に頼ることになる。幅広く身柄をとって、弱い人をたたく捜査になる。1人がうそを言うと、それを元に全体のストーリーができ、冤罪が起きる危険がある

正にこういった事態が進行している可能性があります。
マスコミも、特捜べったりの提灯記事ばかり書かずに、こういった捜査の危険性にも目を向けるべきでしょう。