心の病、30代社員に急増 企業6割で「最多の世代」

http://www.asahi.com/life/update/0821/002.html

「職場でのコミュニケーションの機会が減ったか」との質問に対して、「そう思う」「ややそう思う」と答えたのは約6割。「職場での助け合いが少なくなった」と思っている企業も、ほぼ半数あった。
 さらに、コミュニケーションが少なくなった企業で、「心の病が増加傾向」と答えたのは7割超だったのに対し、減少していない企業では半数以下にとどまり、職場環境の違いが反映した結果となった。

日本の場合、種々の悩みを抱え、誰かに相談したいと思っている人は、かなり多いというのが実状でしょう。バブル崩壊以前は、そういった相談を持ちかけられる人を見つけることが比較的できたと思いますが、バブル崩壊後は、年功序列が崩れ年配者が相談に乗り面倒を見てあげる、といった美風も徐々になくなり(そういった人々自体がリストラされてしまった、という実態もあるでしょう)、成果主義、実績主義の浸透で周囲はライバルだらけで相談どころではない、という、過酷な状況になっているのではないかと思います。
また、個人的な印象としては、日本人の場合、自分なりに信念を持ち孤独にも耐え突き進む、といったタイプの人は非常に少なくて、「甘えの構造」でもありませんが、常に誰かに依存したい、助けてもらいたい、といったタイプの人が多いようにも思います。それがいけない、とは思いませんが、一旦、壁にぶつかったり越えるべきハードルを前にすると、自分だけでは挫折しやすい人がそれだけ多い、ということは言えるのではないかと思います。そこに、上記のようなコミュニケーションの必要性というものが生じるのでしょう。
対策には、非常に難しいものがありますが、頑張るだけ頑張り成功をおさめるべきだ、といった「成功至上主義」のような価値観を、社会の中で見直して行く、ということも必要ではないかと思います。今日は夏の甲子園の決勝戦(再試合)があるようですが、甲子園を目指す高校球児のように、勝つためにはあらゆる苦難をいとわず邁進する、というのではなく、野球を楽しみ、野球以外のことも楽しむ、ということも、十分価値あることだ、と見るような、価値の多様性を認める社会であるべきでしょう。
こういった方向で社会を徐々に変えて行くことが、過労死、自殺者の減少等にもつながるのではないか、と思います。