映画「ミュンヘン」

http://www.munich.jp/

この手の映画は好きなので、早速、観ましたが、はっきり言って、映画としての出来は期待はずれでした。
国家の命令とはいえ、テロに対してテロで報復することに、疑問が生じるのは当たり前のことで、やりはじめてから疑問を感じるくらいなら、最初から断るべきでしょう。そこを延々と描いても、なかなか感情移入は困難です。ただ、報復を命じるイスラエルゴルダ・メイア首相の苦悩と決断は、よく描かれていると思いました。
私自身は、むしろ、ミュンヘンオリンピックの際の選手村襲撃事件が非常にリアルに再現されていることが参考になりました。この事件を契機に、旧西ドイツで、非常に著名な特殊部隊であるGSG9(日本警察のSATもお手本にしているとも言われている)が結成され、その後に発生したルフトハンザ機ハイジャック事件では、アフリカ・ソマリアののモガディシオ空港に遠路派遣され、機内に突入し、人質全員を救出するという快挙を達成したことはあまりにも有名です。
ミュンヘンオリンピックに参加していたイスラエル選手が人質となり、無惨に殺害されるシーンは衝撃的で、ナチスの親衛隊等に対する嫌悪から特殊部隊創設に慎重だった旧西ドイツで、迅速にGSG9が創設された理由が理解(と言うか共感)できたような気がしました。