「造反者、早く気づけば犠牲は…」小泉首相が新人議員に

http://www.asahi.com/politics/update/1019/007.html

「造反してついて行った人。倒閣運動だと早く気が付けば、こんな多く犠牲者は出なくて済んだ。後の祭りで仕方がない」。

首相は「今日は現実的な話がいい」と切り出し、郵政民営化法を巡る党内の駆け引きを「当初の政策論が政局、権力闘争に転じた」と説明。造反について「政治家の資質は洞察力。本質を見抜けず、ついて行った人は本当に可哀想だ」とも。「今日の友は明日の敵。戦国時代じゃなくても人間の社会。わきまえながら友情を育むことが大事」と結んだ。

今回の選挙前からの動きについて、小泉首相の認識、理解、物の見方がよくわかり、非常におもしろいなと思いました。
客観的に見た場合、必ずしも「当初の政策論が権力闘争に転じた」とは割り切れず、政策論として反対の立場に立った人もいたとは思いますが、小泉首相は、自分なりに事態を「割り切って」見ていることがわかります。こういう見方、割り切り方をするところが、小泉首相のわかりやすさ、人気が出る原因であると同時に、危険なところでもあると言えるでしょう。
靖国参拝問題に見られるように、妥協をせず頑固なところが小泉首相の持ち味ですが、「政治とは妥協の産物である」という格言を引き合いに出すまでもなく、個人、人間としての魅力、長所が、政治家としても長所となり国益に沿うとは限りません。
物事は、単純化すればするほどわかりやすくなり、俗耳にも入りやすくなりますが、「わかりやすさ」と「真実性」は別物であり、気がつくと、虚構の上で踊らされている可能性があるということにも、我々は思いを致すべきでしょう。