ある被告人

最近担当した国選事件で、不法残留の被告人でしたが、東南アジアの某国出身の女性で、日本で皿洗いのアルバイトをしていました。話を聞いたところ、娘さんが目の病気で、手術費用を捻出したい一心で、不法残留しながら働いていたとのこと。皿洗いの仕事は、特に今のような寒い時期は、日本より温暖な国出身の被告人には、かなりつらかったようですが、娘の目を治してやりたいという一念でがんばっていたとのことでした。娘さんは手術をして、快方に向かっているということでしたが、貧しさが生む犯罪、親の愛、実はこういった人々に支えられている我々の生活、など、いろいろと考えさせられるものがありました。
幸い、執行猶予がついたので、母国で、娘さんと一緒に幸せに暮らしてほしいと思わずにはいられませんでした。