プロ野球ネット賭博初摘発=HP会社を強制捜査−景品に車、高級牛肉も・大阪府警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050127-00000464-jij-soci

賭博の仕組みは、会員の客がDHJ指定の金融機関口座に現金を入金。利用料を払った上、勝敗と両チームの得点を含めた試合結果を予想し、1ポイント20円のレートでポイントを賭ける。的中すればポイントが加算される。1試合に賭ける上限は500ポイント(1万円分)。HPには予想内容に対応したオッズが表示され、1000倍以上になることもあるという。ポイント数に応じ商品と交換でき、車や高級時計などの高額商品、米沢牛、北海道産メロンなどの食品もあった。 

こういうサービスは、いろいろな形で提供されているようです。以前、こういったサービスが犯罪に該当しないか、という相談を受けたことがあり、調べたことがありますが、現行の刑法規定や、従来の判例に照らすと、「賭博」に該当する可能性が極めて高いので、注意する必要があります。
この報道におけるサービスで、何がいけないか、というと、「利用料」という名目とはいえ、利用者が現金を提供していることにあります。
「賭博」とは、

1 偶然に左右される事(技量等に影響される側面が強くても、偶然性は否定されないというのが判例)に
2 賭客が「財物」(現金はその典型)を提供し
3 1の結果により勝者が財物を獲得する(なお、運営者が、勝敗にかかわらず一定の利益を受けている形態であれば運営者に賭博開張図利罪が成立)

というものです。
報道されたようなサービスの場合、利用者が提供した現金が、本来の意味での「利用料」であり、勝者が獲得する物が、利用料の分配とは認められない(例えば、賞品はスポンサーが提供しており利用料は充てられていない)場合は、賭博罪(及び賭博開張図利罪)の成立が否定される事もあり得ますが、利用料が原資となって勝者に分配されるといった形態であれば、犯罪成立の可能性が高いと思います。
今回、大阪府警は、身柄を逮捕せず捜索差押を先行させたようですが、おそらく、上記のような問題があるので、利用料の使途等を、押収資料により分析した上で、犯罪の成否を見極めようという方針なのではないかと推測します。