検事の転勤

コメント欄でご質問があったので、ちょっと触れておきます。
確かに、検事に転勤はつきものです。大体、3年程度で転勤していると思います。東京などの大都市は、勤務したいという希望者が多いので、2年で転勤が一般的でしょう。検事をやっている限り、退職まで転勤は避けられません。
私の場合、司法修習生の時や、検事任官の時は、転勤というものについて、特に嫌だ、といった感覚はありませんでした。その仕事に付随しているもの、という感覚だったと思います。ただ、広島育ちなので、ものすごく寒いところとかは避けたい、とは思っていました(寒さには弱い・・・)。そういう意味では、転勤に対する抵抗、は特になかったと言えるでしょう。
ただ、その後、何度か転勤する中で、次第に荷物は増えてくるし、転勤する度に生活のいろいろな面で変化は生じるし(良い面もありますが、やはりわずらわしいものです)、また、「官舎」がぼろくて住みにくいし、ということで、正直なところ、次第に、転勤が面倒にはなってきました。
なぜ、検事を辞めたんですか、と、よく聞かれますが、転勤問題というのは、大きく重要な要素、とまでは言えないものの、主要ないくつかの原因の周囲にある、さらにいくつかの原因の一つ、くらいにはなっていたのかな、という気がします。
ある程度年齢を重ねると、家族の問題もありますし、自分だけ好き勝手に転勤していればよいという問題でもなくなってくるので、やはり、悩ましい状態になってくる人は多いのではないかと推察します。
社会的に重要な仕事では、全国的な規模の転勤を余儀なくされる場合が多いという側面がありますが、異動を命じる側も、できるだけ個々の家庭等の事情には配慮すべきだと思いますし、そういった仕事についている方々のご家族に、できるだけ負担がかからないようにしてほしいものだ、と思わずにはいられないですね。