検察改革案、特捜部廃止にも言及…民主党部会

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110827-00000583-yom-pol

検事と裁判官の交流人事の見直しや、弁護士からの検事への起用なども提言した。

弁護士から検事に任官、というケースは、過去に例はありますが、かなり少ないですね。検事任官例の中にも、検事から一旦、弁護士になり、再び検事になった、というものもあって、それを除くと、検事任官例はさらに少なくなります。
昔からそういう傾向がありましたが、現在の検察庁では、起訴、有罪獲得という目的のためには、手段に問題があってもそれはやむを得ない、目的が手段を正当化する、結果がすべて、結果が出せないのは駄目な奴、といった風潮が強くなっていて、そういう歪んだ考え方に疑問を持たずにまい進できるような、マッチョな人材(いわゆる体育会系、というタイプになりますが)が評価される傾向が強まっています。そういう、カルト教団のような組織にわざわざ身を投じたいという弁護士を見出すのは、かなり困難ではないかと思います。だからこそ、民主党法務部門会議は、弁護士からも検事に登用することで組織を変革する必要があると考えているものと推測されますが、とんだ人柱になりかねず、火中の栗を拾う(拾うどころか全身に大火傷しかねない)ような奇特な人は、なかなかいないものです。
現実的には、終戦直後に多数の検事が公職追放された時に行われたように、検事長、検事正クラスで、積極的に弁護士出身者を登用して、違法、不当な検察権の行使に、組織管理者の立場で歯止めをかける、といった方法が実現可能で、実効性もあると思います。ただ、その任に堪える弁護士がどれほどいるか、という問題は当然生じるでしょう。