工具所持に無罪 ピッキング防止法違反

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判決によると、男性は4月15日午前1時45分ごろ、福岡市東区内の路上で、自販機荒らしの容疑者を捜索中の警察官に職務質問された際、自転車のかごから長さ27センチのバールが見つかり、軽犯罪法違反容疑(侵入器具携帯)で現行犯逮捕された。地検は同26日、ピッキング防止法違反罪に切り替えて起訴した。

 公判で男性はバールについて「逮捕直前に近くで拾った。小屋を建てたり、ゴミをあさったりするのに使おうと思った」と主張していた。

 山城裁判官は「バールは一般的に普及している工具で、同法での処罰範囲は厳格に判断する必要がある」との判断を示した。

バールは、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(いわゆる「ピッキング防止法」)上、「指定侵入工具」に該当すると思われますが、同法4条では、

(指定侵入工具の携帯の禁止)
第4条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。

とされています。
ピッキング用具(一般人が、正当な目的のため持ち歩くことが非常に考えにくい)とは違って、バールのようなものは、正当な目的で携帯しているということも考えられますから、本件では、起訴前の、その点に関する捜査が十分ではなかったのではないかと推測されます。
捜査機関としては、教訓となる裁判例でしょう。