法務博士の受け皿

小倉弁護士のブログ(10月20日)で、「公証人」の道が提案されています。

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このプランは良いと思います。現在の公証人は、元裁判官や元検察官が、特に「儲かる」公証人ポストを独占しており、完全に「司法・法務利権」化していると思います。こういう現状は、当然、改善されるべきですし、公証人を志し、専門の訓練を受けた人が、現在よりも多くの人数で、かつ、より低コストでサービスを提供したほうが、国民にとっても利便性が高まります。遺言などで、手軽に身近な公証人のサービスが利用できるようになれば、便利でしょう。ただ、貸金業者が借り手から徹底的に収奪する手段として公正証書が利用されているような現状は、早急に改める必要があるでしょう。
公証人以外で、真面目に勉強したが司法試験には合格できなかった(あるいは、敢えて司法試験の道には進まなかった)法務博士に対しては、弁護士がフルサービスを提供できるのに対して、その一部に限定しつつも、社会の需要に応じられるような新たな資格を創設する、ということも検討すべきでしょう。一種の「準弁護士」のような資格を創設して、法廷外で(法廷内の仕事は弁護士がやるとして)、弁護士と連携しつつ、法律相談、各種書面の作成、相手方との交渉等は行えるといった資格があっても良いと思います。社会は、組織のトップや幹部を務めるような人だけで成り立っているわけではなく、中堅層というものも重要で、中堅の公務員、企業法務部員、警察官等が、そういった資格を評価されて仕事につき、自信を持ち、また、資格保有者として継続的に勉強、訓練を経ながら仕事をすると言うのも、一つの望ましい姿ではないかと思います。
国も、せっかくロースクールで一生懸命勉強した人たちですから、司法試験合格以外で処遇する方法も考えるべきではないでしょうか。