winny開発者の刑事責任

幇助責任を問われようとしている開発者が、正犯(直接の利用者)と面識がないことが、刑事責任を否定する根拠の一つとして、指摘されることがあります。6月28日のワークショップで壇弁護士が指摘していましたし、甲南大学法科大学院の園田教授も、先日、新聞掲載のご意見の中で、その点を指摘されていたと記憶しています。
ただ、正犯と幇助犯が相互にその存在を知らないまま、幇助犯が一方的に幇助行為に及ぶという、「片面的幇助」は、可罰的という考え方が有力です。共犯(幇助犯は共犯の一種)は、正犯を通じて法益を侵害するから処罰されるという考え方(有力説です)に立つと、相互に面識があるということは必ずしも必要ないということになります。
したがって、「面識がない」ことは、この問題の決め手までにはなりません。