FD改竄 元副部長メモ「日付変えた」 最高検押収、故意認識か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110202-00000141-san-soci

佐賀被告は捜査段階から一貫して無罪を主張。現在は公判前整理手続きが行われているが、最高検は、佐賀被告が、前田被告の改竄が故意だと認識していた重要な物証とみている。
関係者によると、佐賀被告は昨年1月30日、前田被告の改竄を同僚検事らから伝えられ、2月1〜2日、東京出張中だった前田被告に直接電話。メモはこの電話のやりとりを佐賀被告が書き留めたものとみられ、「本当は6月1日だったが、6月8日に変えた」などと書かれていたという。

こういったメモは、言葉でのやり取りを逐語的に記載したものではなく、記載した人の主観や癖も入るので、書かれた内容については慎重な検討、検証が必要なものです。見方によっては故意を裏づけるようでも、逆の見方もできる場合もあって、実物も見ず作成経緯の詳細も知らないまま、安易に「故意認識か」などと軽々に評価すべきではないでしょう。
私が手掛けている、某著名事件でも、検察庁が、こういった文脈で、検察ストーリーの正しさを強弁しようと、被告人作成のメモを挙げてきたことがあり、そういうこともあって、危険性を強く感じるものがあります。
今後も、本件について、この種の安易、安直な報道が次々と出ることが予想されますが、安易、安直に踊らないよう、注意が必要でしょう。

2011年02月02日のツイート

「力士はカネでどうにでもなる」暴力団関係者の「常識」

http://www.asahi.com/national/update/0203/TKY201102030259.html

のめり込んだ末に数百万円負ける客もいる。「何とかならないか」と胴元側に泣きついてくる。ここから八百長の仕掛けが始まる。暴力団関係者が、日頃から手なずけている力士に、客を居酒屋などで引き合わせる。客が力士に「あすは勝ってくれよ」「必ず負けろよ」と頼む。聞き入れてくれたら数十万円出す、と約束する。「簡単に応じる力士は少なくない」と暴力団関係者は話す。
一方で、別の暴力団関係者は「現役の力士からは『賭博と関係なく八百長を行うこともある』と聞いた」という。負け越しの危機に直面した力士が、地位陥落を免れるため対戦相手に負けるよう頼む。そんなことが珍しくない、と懇意の力士は明かしたという。

報道されているメールを読むと、上記の記事であがっている八百長のうち、地位陥落を免れるためといった理由で行ったものではないかと推測させるものがありますね。しかし、より重大、深刻なのは、もう一つのほうの、暴力団関係者と結託した八百長でしょう。こちらは、その重大性、深刻性故に、メールでのやり取りといった証拠は残っていない(そもそも、そういう証拠が残るような方法はとられない)ものと思われます。
こういった、八百長が日常的に横行する興行を、NHKのような公共放送が放映し続けるべきかということになれば、肯定するのは難しいでしょう。今まで、嘘に嘘を重ね、ないと言い張ってきたことが、実はあったと実証され、もっと早く来るべきであった破局が、遅まきながらやってきたということを強く感じます。