フィリピンバス人質事件 アキノ政権に難題 観光や投資に影

http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100824/asi1008242218007-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100824/asi1008242218007-n2.htm

アキノ大統領は24日未明の記者会見で、犠牲者に追悼の意をささげる一方、人質事件での治安部隊の能力が不足していたことを認めた。大統領は曽蔭権(ドナルド・ツァン)香港行政長官に電話で今後の対応を説明し理解を求める。同長官は23日夜、フィリピン政府の対応を非難していた。中国側は事件の徹底調査を要求し、香港政府はフィリピンへの旅行を控えるよう住民に求めている。

昨夜、事務所で仕事しながら、この事件のニュースを見ていたところ、この事件の突入シーンと、以前に日本で発生した西鉄バスジャック事件の突入シーンを連続して紹介していて、前者の稚拙さと、後者の用意周到さ、迅速さを強く感じました。西鉄バスジャック事件では、スタングレネードと言われる、爆音、閃光で内部にいる犯人の抵抗を一時的に排除する特殊な手榴弾が使用され効果を発揮し、こういったものを使用するのはこの種事件では必須と言っても過言ではありませんが、フィリピンの事件ではそれすら使用されていませんでした。
それだけでなく、別の報道によると、立て籠もった犯人と話をしていた犯人の弟を、警察当局が、共犯であるとして連れ去ってしまったため、犯人が激高し犠牲者が増えたとのことで、この種事件で必須な交渉人(ネゴシエーター)もきちんと養成、確保されていなかった可能性が高く、言語道断と言うべきでしょう。
地道な治安対策を行っておかないと、取り返しがつかない失態を犯し、尊い人命が失われるだけでなく、国家間の外交関係も悪化しかねないということも言えるように思います。

2010年08月24日のツイート

「儲かる時代はとうに終わった」赤貧・歯科医の告白

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100825-00000001-president-bus_all

歯科医師を取り巻く現状は厳しい。1990年におよそ7万4000人だった歯科医師数は、2006年には9万7000人に増加。それも都会に集中し、「コンビニより歯科医院が多い」と言われるほどになった。
一方、健康保険の対象となる治療に対して歯科医院に支払われる診療報酬のうち73項目の価格が、この20年間据え置きされている。歯科医療費全体も、この10年間停滞中。その間も歯科医師数は増加しているため、一人当たりの収入はドンドン目減りした。歯科医療白書によれば、歯科医の5人に1人は年収300万円以下だという。

歯科医の世界が厳しい状況になっていることは、時々、聞いたことがありましたが、この記事では、その深刻さが具体的、詳細に紹介されていて、参考になりますね。そして、これは、弁護士にとっても「今そこにある危機」と言えるように思います。今そこにある、どころか、既に現実になっている危機という見方も十分あり得るでしょう。
前から本ブログでもコメントしているように、需要、売上といったものは、わいて出てくるものではなく、今のような景気もなかなか上向かない、厳しい時代ではどうしても頭打ちになりがちで、そこに参入者が続々と出て供給が過剰になれば、限られたパイを多くの人々が奪い合うことになり、共倒れの道を歩むことになります。それだけに、特に公的な性格が強い分野では、制度設計を慎重、周到に行う必要がありますが、歯科医にしても、弁護士にしても、今のところ、とても成功しているとは言えないでしょう。
嘆き悲しむだけでなく、では、どうすればよいのか、ということを建設的な方向で考えなければならないと思います。