<窃盗被告>猶予判決直後に逮捕 別の強盗容疑 岐阜

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100216-00000008-mai-soci

容疑者はこの日、別の窃盗などの罪で岐阜地裁から執行猶予付きの有罪判決を受けたばかりで、裁判所を出たところで身柄を確保された。

弁護士は「執行猶予付き判決の言い渡し直後の逮捕は異例。拘束期間が長くなり、不利益になる」と指摘している。

判決後に裁判所を出てきたところを逮捕する、ということができるのであれば、判決期日を検察官の申立で取り消してもらい、出頭している被告人を逮捕して、後日、追起訴されれば併合して1個の判決を宣告するほうが、上記のような弁護士の不平不満も出ず、すっきりスマート、という印象は受けますね。
ただ、そうしなければならない義務があるわけではなく、上記のような進め方が間違っているわけではありません。

【スノボ】服装問題で国母選手の応援会中止 東海大

http://sankei.jp.msn.com/vancouver2010/news/100215/oaf1002151233003-n1.htm

国母選手はバンクーバー入りの際、公式服装のシャツを腰から出し、ズボンをずり下げた姿だった。10日の記者会見でも「反省してまーす」と語尾を伸ばして発言した。

問題となっている身なりや言動を、画像やyoutubeで見ましたが、今時の若者、という感じで、特に目くじらをたてるほどのものか、という印象を受けました。大相撲の横綱については「品格」がよく問題になりますが、スノボ三昧で生活している兄ちゃんなので(おそらく)、自分が他人からどのように見えているかということがよくわかっていないのでしょう。身近できちんと教えてあげる人も必要ではないか、という気がします。
こういった場合に、教育的指導というものは必要ですが、皆で、お前は何なんだ、という感じで集中砲火を浴びせかけてしまうのもいかがなものか、と思います。

<民事再生法違反>特定債権者のみに弁済 容疑の数人逮捕へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100216-00000011-mai-soci

捜査関係者らによると、トランス社は08年8月27日に31億円の資金調達を公表。その翌日に不渡りを出し、同9月1日に民事再生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻した。ところが、トランス社の幹部らはその直前に債権者の男性に約1億数千万円を弁済し、一般債権者に損害を与えた疑いが持たれている。

こういった資金調達、破綻の経緯を見るだけでも由々しき事態ですが、警察としては、最も固いところを入口事件として着手した、ということなのでしょう。
組織犯罪対策総務課もこの事件に関わっている、というところに、警察がこの事件の性質をどう見ているか、何を狙っているかということがうかがえるようにも思います。

放火罪の被告に無罪 大阪地裁「自白信用できぬ」

http://www.asahi.com/national/update/0216/OSK201002160078.html

被告は07年8月、大阪府警の事情聴取に放火を認めて逮捕され、「コンビニエンスストアで万引きが見つかったり、アパートの大家を夜間に訪ねて怒られたりして、いらいらしていた」と供述したとされていた。公判では一転して無罪を主張していた。
判決は、公判での被告人質問でのやりとりなどから、被告には質問内容を理解しないまま迎合的な答えをする傾向が強くあると指摘。検察官の取り調べ状況を撮影した録画映像でも、一度は犯行を否定する発言をしたのに、検察官が心外そうな態度を見せると打ち消した点などからも「自白」は信用できないとした。

上記の録画映像は、取調べの全過程のごく一部を録画したものであったはずですが、当初の自白状況や、その後の検事調べまでの、特に警察での取調べ状況が可視化されていれば、自白の信用性に対する評価が変わった可能性もあるかもしれない、という気がしました。つまり、取調べの全面可視化というものが、捜査機関がこだわるように、真相解明を阻害するというばかりでなく、むしろ、よくある捜査段階自白、公判段階否認という事件にあっては、捜査段階の自白がつぶさに検討されることで、従来は任意性、信用性が否定されていたようなものであっても、そういった諸点が肯定されることにもつながり得る、ということです。こういった点は、欧米で取調べの全面可視化を肯定する捜査官、検察官がよく挙げていることで、日本でも十分検討されなければならないことだと思います。
放火罪は、現場が焼けてしまい自白以外の証拠がなかなか得にくい、難しいタイプの犯罪ですが、今後、大阪地検控訴するかどうか、上級審でどのような判断が示されるのか、事実認定という観点から大きく注目されると思います。

地検の全検事参加・弁護士会は精鋭で…新作戦

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100216-00000070-yom-soci

都市部の地検ではこれまで、一部の検事がほぼ専従して裁判員裁判を担当してきた。最高検によると、今後はこれを転換し、来年3月までに、都市部の地検の副部長以上や地方の検事正、次席検事を除く全員(約1000人)に、裁判員裁判対象事件の捜査から公判前整理手続き、公判までをできるだけ担当させる。
大型経済事件や汚職の摘発を担う東京、大阪、名古屋各地検の特捜部や、公安、交通両部に所属する検事も対象で、最高検では、「これから幹部になる検事が裁判員裁判を全く経験していないのでは困る。件数の増加に対応するためにも、全検事が経験する必要があると判断した」としている。
一方、最高裁による裁判員経験者らへのアンケートなどで、裁判員へのアピール度で検察側に後れを取る結果が出ている弁護士サイド。高い技術を持つ弁護士を裁判員裁判の国選弁護人につけ、対抗しようという動きが広がっている。

検事の場合、任官時に一定以上のレベルにないと任官できない上、任官後も、刑事司法の専門家としての様々な教育、訓練を受けつつ多数の刑事事件を取り扱いますから、一部の例外はありますが、自ずと一定以上のレベルは維持され、そうであるからこそ、上記の記事にあるように、幅広く裁判員裁判を担当させるといったことができると言えるでしょう。
それに対し、弁護士の場合、検事よりも圧倒的に数が多い上、玉石混交状態で、しかも、刑事事件についての習熟度も人によりバラバラで、そういった状態であるにもかかわらず、知識、経験を問わずに一律に裁判員裁判を担当させるようなことをやれば、大変なことになるのは目に見えていると言えるでしょう。必然的に、一定以上のレベルにある弁護士を選りすぐり裁判員裁判を担当してもらうということにならざるを得ません。
私の考えとしては、以前から繰り返し言っているように、全国に公設弁護人事務所を設置して、そこに刑事弁護に習熟した弁護士を集中させて、裁判員裁判についても主要な担い手になるのが望ましいと考えていますが、今後、徐々にそういった方向で進まないと、特に裁判員裁判にはとても対応しきれない、ということになりそうです(既にそうなりつつありますが)。