外資との提携交渉棚上げ 日航、再建計画を優先

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009100501001026.html

日航は再建策の一環として外資との提携を検討。日航とは別の航空連合「スカイチーム」に所属するデルタと、日航と同じ「ワンワールド」のアメリカンの二つを提携相手の選択肢とし、決定時期について西松遥社長は「10月半ばが期限」との考えを示していた。
ただ、どちらの出資を受け入れても、提携の効果が出るには時間がかかることから、人員削減や路線見直しなどリストラを先行させる。経営の立て直しの道筋が付いた段階で、外資との再交渉を検討していく見通しだ。

「どちらの出資を受け入れても、提携の効果が出るには時間がかかる」ということは、最初からわかっていたはずで、今頃になって上記の記事にあるようなことを言っているようでは、迷走といった印象しかなく、更に言えば、外資との提携交渉というのは、この危機的状況の中で、一体、何だったのかということにもなるでしょう。
貧すれば鈍するという言葉を思い出しました。

献金虚偽記載問題 首相、直撃回避へ沈黙

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009100690070319.html

就任したばかりの首相側が、捜査対象となるのは異例で、対応を誤れば、政権を直撃する懸念もあるだけに、安全運転に徹する構えだ。

東京地検特捜部としては、表向きは告発が出ているから必要な捜査を行うだけであるということにしていると思われますが、首相周辺を捜査対象にすることで、法務・検察というレベルでは、小沢幹事長の元秘書を起訴してしまって、今後、陰に陽に圧力を受けたり、死刑廃止問題や取調の可視化問題で劣勢に立ちがちな中で、いろいろと使えるカードを持つということになるでしょう。
持ったカードを、今後、どのように使うか、引き続き注視して行く必要がありそうです。

無実を探せ! イノセンス・プロジェクト ? DNA鑑定で冤罪を晴らした人々

無実を探せ! イノセンス・プロジェクト ? DNA鑑定で冤罪を晴らした人々

無実を探せ! イノセンス・プロジェクト ? DNA鑑定で冤罪を晴らした人々

  • 作者: ジム・ドワイヤー,ピーター・ニューフェルド,バリー・シェック,指宿信,西村邦雄
  • 出版社/メーカー: 現代人文社
  • 発売日: 2009/09/01
  • メディア: 単行本
  • クリック: 3回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る

私の読書は、興味がある本は手当たり次第に買い(まず買う)、読んだ本について関連して興味を感じるものがあれば幅を広げたり深めたりしながらまた買って、という、正に乱読(乱買い、というほうが正確かもしれませんが)で、手当たり次第に買った本の中で、常に、5冊から10冊が「次に読む本」リストに搭載されている状態なのですが、上記の本も、そのリストの中の1冊です。
この本の著者の1人であるバリー・シェック氏が朝日新聞10月5日朝刊の「GLOBE」に登場している記事を興味深く読みました。
特に印象に残ったのは、同氏が、

DNA鑑定で242人を無罪にした過程で、105人の本当の犯人が捕まりました。だからこそ、17年にわたる我々の活動は、日増しに捜査側の協力を得られるようになりました。冤罪を晴らす活動は、犯罪に甘いという批判を受けがちですが、社会の安全につながるという理解を得られるようになりました。

と述べ、捜査機関が誤りを率直に認めることがかえって信頼を高めることになることや、取調べの可視化を推奨していることで、かつて同氏が携わったという公民権運動や暗殺されたロバート・ケネディ上院議員の選挙運動が、その後、こういった優秀な人材を生み、法制度の闇の部分に光を当て不正義を正義へと転換させることにつながっていることに感銘を受けました。日本的に言うと、司法長官であった故・ロバート・ケネディ氏も、きっと草葉の陰で喜んでいることでしょう。