保身目的の買収防衛策と特別背任罪

少し前になりますが、今週月曜日の日経朝刊「試される司法 第2部 揺らぐルール・中」で、昨年3月、ライブドアニッポン放送問題の最中に、検察庁内で、検事総長も出席して会議が開かれて、「保身目的の買収防衛策で一般株主に過度の損害を与えれば、役員を特別背任罪に問う可能性がある。」という結論が出た、ということが紹介されていました。
ちょうど、そのころ、本ブログでも、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050315#1110876955

といったことを指摘していましたが、単なる話だけで終わるようなものではなく、現実に問題になり得る状況だったことが、改めて実感されました。
捜査機関(特に東京地検特捜部)がやっていrことが、常に正しいわけではありませんが、塀の内側に落ちた後に後悔しないように、行動へ移す前には、刑事面でのリスクと言うことも、よく検討しておく必要性がある、ということでしょう。

それじゃ“スリギイ”です!NHKが英国旗の斜めライン逆に

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200607/gt2006070705.html

ディレクターは「作り替えるのに時間がかかるし、指摘されるほど変わらないのではないかと思った」と釈明したという。

佐々淳行氏の「危機管理のノウハウ」に、香港で勤務していた当時の話だったと思いますが、英国人から、英国旗が上下逆になっていることを指摘された体験談が紹介されているのを読んだ記憶があります。それだけ間違いやすい、ということは言えると思いますが、予告編の段階で指摘され間違いがわかったにもかかわらず、上記のようなお粗末な釈明をしているようでは、歴史番組を作る資格はないでしょう。

羽田・滑走路をランニング男横断、約2時間閉鎖

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060708-00000002-yom-soci

午前4時5分ごろ、同空港の外周センサーが作動、空港の外周道路からC滑走路内に走って侵入し、突っ切る男性が監視カメラで確認された。男性は第2旅客ターミナルのスポット付近で姿が見えなくなったため、同空港事務所と警視庁東京空港署が車両9台で付近を捜索。しかし外部から侵入した形跡がなく、監視カメラの映像を分析した結果、空港の作業員と分かった。

「海が見たかった」などと話しているようですが、関係者に多大な混乱を生じさせ、迷惑な話です。
テロは、内部協力者にも支えられて実行されることが多く、この種の「問題職員」には注意が必要でしょう。
空港や警察の対応を探るため、背後にある何らかの勢力が、敢えてこの種の行動に出るよう指示した、という可能性も検討する必要があると思います。

水谷建設 数億円所得隠しか ダム架空発注

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060708-00000009-san-soci

いろいろな疑惑があるようですが、単なる脱税等で、東京地検特捜部が、ここまで動くということは考えにくく、事件の先にある「政界」「官界」がロックオンされている可能性はあるでしょう。
そういえば、先日のドラマ「HERO]スペシャルで、東京地検特捜部が政界捜査の中途で挫折する、という状況の中で、主人公の検事が東京地検に復帰する、というところでドラマが終わっていましたが、続きが見たいと思ったのは、おそらく私だけではないでしょう。

追記:

「政財界人脈ある元会社役員関係も 水谷建設捜索」
http://www.asahi.com/national/update/0708/TKY200607080363.html

関係者によると、関西電力大阪市)が石川県珠洲市に以前計画していた珠洲原子力発電所の予定地付近の土地買収をめぐっては、地元のブローカーが地主の一人に土地を売るよう持ちかけ、さらに、このブローカーの知り合いである元会社役員が関電に土地の買い取りを働きかけ、話をつけたとされる。元会社役員は、朝日新聞の取材に対し、土地売買への関与を否定している。

関西電力と言えば、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060630#1151664990

10億円を超える退職金をもらうという会長は、関西電力でしたね。

http://www.1300.jp/goaisatsu/

この笑いの止まらない顔が、引きつりゆがむことになる、という事態もあり得るのでしょうか?