「明智物語」

 

明智物語

明智物語

  • 作者:森秀利
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

 明智光秀関連の本を何冊も買ったり検索したりしたせいか、アマゾンのおすすめでこれが出てきて、興味を感じ読んでみました。江戸初期に、明智家の関係者が語ったところを書き留めたものとされています。

江戸時代に、群馬県沼田藩領主になった土岐家(元は明智家)の祖の土岐定政明智光秀の甥、とするのが明智物語ですが、下記の2019年の記事では、

mainichi.jp

上記の土岐家に伝わる文書で、

「光秀が以前言った。土岐氏の一族で定政はいとこである。定政は家康に従って軍功をあげたので、刀(備前兼光)、甲冑(かっちゅう)、青氈(せいせん)を贈る」

井澤さんは「土岐系図では、光秀と定政が『はとこ』となっているが、2人が『いとこ』の文書は定説を覆す新発見」と指摘する。

 とあるとのことで、明智物語にも、明智光秀土岐定政に刀などを贈った記述があって、符合するものがあります。

私が読んだ明智光秀関連本では、明智軍記が、信憑性に疑問を呈されつつも参照されていた印象がありますが、明智物語にも一定の信憑性が感じられ、おもしろいものがあると、読み終わり思いました。

 

「明智光秀 織田政権の司令塔」

 

明智光秀 織田政権の司令塔 (中公新書)

明智光秀 織田政権の司令塔 (中公新書)

 

一昨年来、大河ドラマ「騏驎がくる」の関連で、明智光秀を取り上げた本を、複数読んできたのですが、今年初めに出たこれもおもしろそうだったので、最近になって読みました。

史料に依拠しつつ、明智光秀の足跡を丹念にたどっていて、素人である私には、やや読みづらくもありましたが、推測や決めつけを排した、「史料に基づく明智光秀像」を思い描く上で有益な読書となりました。

他書では、本能寺の変の原因、動機について紙幅を割いているものが多かったのですが、本書ではあっさりとした記述になっています。ただ、著者が、明智光秀の書くものが、時を経るにつれて高圧的で自信あるものに変化していて、その辺本能寺の変につながるものがあったのではないかと指摘していたのは印象的で、意外とそういう単純なところに原因があったのかもしれません。人間、自信がつき自分自身への評価が上がれば、ここで思い切って踏み出そうと考えがちで、そういう誘惑に大きく影響された結果が本能寺の変であったのかもと、本書を読みつつ感じるものがありました。

時間を措いて、また読んでみたいと感じています。

「1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産投資の定番」

 

最近、この分野の本を読むのが適度な息抜きにもなっているのですが(笑)、これも、読んでみてなかなか参考になる一冊でした。

業界にとっての常識も、門外漢にとっては常識ではないものですが、不動産を投資対象として考える場合の、基本的な考え方や指標、注意すべき点が、噛み砕いてわかりやすく説明されていて、知っている部分もあればそうではない部分もありましたが、全体として身になる内容でした。

出版時期も比較的最近で、入門的に読むのに特に適しているように思います。

 

総務省の肝煎りで各社の対応が進む「eSIM」は本当に普及するのか(佐野正弘)

総務省の肝煎りで各社の対応が進む「eSIM」は本当に普及するのか(佐野正弘) - Engadget 日本版

そもそもeSIMを使ってオンラインだけで回線契約するには、eSIMやeKYCの仕組みを知り、スマートフォンの操作に慣れている必要があるなど一定のリテラシーが求められます。またeSIMの設定の際は、一般的に携帯電話会社から発行されたQRコードスマートフォンで読み取る必要があり、QRコードを表示する端末が別途必要なことからスマートフォン1台だけで対応するのが意外と難しいといった課題もあったりします。

私は、楽天モバイルの複数回線を、iPhoneやrazr5Gなどに入れて使っていて、先日は、初めて、新規契約でesimを発行してもらいましたが、記事にあるようなeKYCの手続で、手続完了後、数分程度で開通してQRコードが発行され、至って便利でしたね。私程度のリテラシーで扱えますから、それほど高いリテラシーが求められているわけではないと思います。

ただ、そういう決まりになっているせいかもしれませんが、esimで発行された番号について、後から説明書などが郵送で送られてきて、これは無駄だなと思いました。ウェブ上で完結させるべきでしょう。

日本で広く普及しているiPhoneの、XS以降の機種ではesimが使えますから、広く普及して利用されすべき便利な機能だと思います。 

ベライゾンが米ヤフー売却 AOLも、5500億円

ベライゾンが米ヤフー売却 AOLも、5500億円(共同通信) - Yahoo!ニュース

ベライゾンは15年にAOLを、17年に米ヤフーの中核事業を買収した。メディア事業は近年、米グーグルフェイスブックなど巨大ITとの競争激化で事業環境が厳しくなっていた。

 買収に要した費用の半分くらいで売却することになるようですが、かつては輝けるブランドであったものが「オワコン」化している感があり、ヤフー が輝いていた2000年にヤフージャパンで働くようになった私としては寂しい限りです。

AOLも、かつての隆盛が昔日の感があります。

ITの世界はドッグイヤーと言われますが、あっという間に躍り出ることができる一方で、陳腐化するのも早く、その意味では怖いなと改めて感じるものがあります。

 

グーグルと法務省 不適切な投稿削除に向けた情報共有で連携へ

グーグルと法務省 不適切な投稿削除に向けた情報共有で連携へ | IT・ネット | NHKニュース

法務省によりますと、全国の法務局に寄せられたネット上のひぼうや中傷などに関する相談は平成30年以降、去年10月までにおよそ2万件に上っています。
このうち1200件余りは、法務局がプロバイダーなどIT事業者に削除を要請しましたが、およそ3割は事業者が要請に応じず、実効性の確保が課題となっています。

 私自身、2000年にヤフー株式会社法務部で仕事をするようになり、2007年まで、こういった問題に関与し、その後もプロバイダーから依頼を受けて削除の要否等をずっと検討し続けていて、もう約21年になります。月日が経つのは早いものです。

削除してほしい、といった要請は、削除することで書き手の表現の自由を制約することにもなり、プロバイダ責任制限法に照らした慎重な判断が必要ですが、その一方で、書き手は利用規約を遵守することを承認した上で書いていて、利用規約に照らした削除の判断に馴染みやすい申告もあります。削除理由も、必ずしも「誹謗中傷」「名誉毀損、侮辱」でなくても、例えば著作権侵害での削除といった便法で対応できることもあります。

そういった、実務的に積み上げられてきたものに、うまくかみ合う形での申告を行うことが、早期の削除につながりやすいものですし、上記のような協力、連携が、そういった方向での有機的なものになれば、一定の前進に結びつきやすいのではないかと思います。

プロバイダ側から、この問題を継続して見続けている人はあまりいない印象があり、私自身、割と珍しい人になっているかもしれません。

楽天モバイルで「iPhone」取扱開始、三木谷氏が語る

楽天モバイルで「iPhone」取扱開始、三木谷氏が語る - ケータイ Watch

そして「テスラ対トヨタか(という例えで良いか)わからないが、2023年に衛星からのエリアカバーを実現できれば、どこの谷底でも山奥に行こうがアクセスできる。世界が注目している。今後、具体的な目標は明らかにできないが、400万をはるかに上回るペースで契約を獲得したい」とした。

 ドコモのahamoなどに猛追されて、一時は今後が危ぶまれましたが、料金体系を他のキャリアに対抗できるものに改訂して、なかなか頑張っているなという印象を受けています。

日本ではiPhone利用者の比率が特に高く、多くの人は利用している通信キャリアで購入しますから、その販売が可能になったことで、楽天モバイルの利用者獲得に弾みがつくことは大いにあり得るでしょう。

一時は泡沫キャリア扱いでしたが、ITの世界では、一旦、躍り出ると一気に勝者へと駆け上がれるという特性があります。その意味で、楽天モバイルの今後には注目すべきものがあるように思います。記事にある「衛星からのエリアカバー」は、既存のキャリアが、ユーザー全体を対象とするものとしては手掛けてこなかったもので、それが実現へと動くのなら、大きなセールスポイントになり得るでしょう。