最近、日本各地で熊が出没し人を殺傷する事故が頻発していますが、そういう状況もあって、この本を通読してみました。
過去の、熊による人身殺傷事故の実例が豊富に紹介され、どのような状況で、どのような態様で殺傷事故が発生したかがよくわかりました。イメージとしてはヒグマによる事故が多そうですが、実際はツキノワグマのよる事故数、事故率のほうが高く、また、見た目ではおとなしくも見えるツキノワグマが、かなり攻撃的であり人へ向かってきたケースが多いことも印象的でした。
感じたのは、熊と人との距離を適度に取るように、熊と人とが不意にばったりと遭遇しないように、日頃から工夫が必要であるということでした。従来の、放置的なものではなく、積極的に、様々な施策を講じて、事故を防いでいくことが早急に求められるように思いました。