「正しい核戦略とは何か」

 

たまたまこの本の存在を知り、核兵器の在り方、特に日本、日本人として核兵器とどう対峙していくかを考える参考にしたいと思って、通読してみました。

素人である私には、なかなか読むのに難渋するものがありましたが、なんとか最後まで読み通しました。

副題にあるように、冷戦終結後のアメリカの核戦略の、模索しながらの推移が紹介されていて、アメリカの中でも核戦略については様々な議論があり、また、一直線ではなく紆余曲折を経ながら、今なお模索しつつ考えられているということが、素人である私もよく理解できるものがありました。

核廃絶は心ある人類の悲願で、その旗は決して下ろすべきではありませんが、世界の中には、邪悪な野望を持ち、その実現のために核兵器を使おうとする勢力が、一定数、存在しており、日本の近隣にもそのような勢力は残念ながら存在しています。そのような勢力が厳然と存在する中で、一方的に核戦力を削減、弱体化させてしまえば、そのような邪悪な敵の思う壺であり、核廃絶の前に世界は邪悪な勢力の思うがままになってしまうでしょう。そのような状態が生じてよいはずがありません。

核兵器を、謙抑的、かつ効果的に、抑止力として使いながら、また、核兵器自体を孤立させるのではなく、通常戦力とうまく組み合わせ、有事の際に過剰なエスカレーションを引き起こして核兵器の使用に至らないように細心の注意を払いながら、平和を維持していくことの必要性、重要性を、この本を通読して痛感しました。

日本も、そういった世界的な核戦略の中に、否応なく組み込まれているのであり、遠き理想と近くの現実を、ともに見据えながら、自らの生存を着実に図っていくことが今後も必須でしょう。

次は

 

を順次読んでみたいと考えています。