若い頃、長谷川慶太郎氏の
を読んで、戦争論というのはこういう内容なのだな、とある程度理解できた気がしたことと、長谷川氏の博識さ、語り口に感心した記憶がずっと残っていました。
その長谷川氏が昨年、亡くなり、新しいところでKindleで読める、これを通読してみました。
21世紀には戦争がなくなる、核戦争は不可能になる、といった長谷川氏の見解には疑問もあり、他にも賛同できない点はありましたが、博識さは昔の印象通りで、縦横無尽に語る、その語り口を、懐かしさを感じつつ味わい読みました。
こういうスケールの大きな評論家が、最近はいなくなっていて、惜しい人をなくしたということを強く感じるものがありました。
戦争はあるべきではないが、戦争を忌み嫌っていれば起きないものでもなく、「平和ボケ」から脱却して正面から考えることが、今の日本に求められていることでしょう。