東京地検特捜部の意図は?読売・NHKは情報を掴んでいた? 「桜を見る会」で安倍前総理の秘書ら事情聴取 【ABEMA TIMES】
元検事の落合洋司弁護士は「事件の捜査というのは手探りで進めていくもの。初めから明確に分かっていれば起訴してしまえばいい。今回も、いきなり身柄を取ってしまうのは無理なので、まずは関係者の人たちに任意で来てもらうということ。中には1回や2回で終わる人もいれば、任意であっても必要があれば何十回と呼ばれる人もいる。例えば広島の選挙違反事件でも、人によっては60回、70回と呼ばれている。素直に喋るか頑張って喋らないかにもよるが、できるだけ任意で調べていくのが捜査の常套だ。安倍前総理についても、あれだけのことを数年間にわたってやっているわけだから、常識的に考えて何も知らないとは言いにくい。やはり“どういうことですか”と聞かれる可能性が高いのではないか」と話す。
23日に、アベマテレビから連絡があり夜に生出演してくれと依頼され、六本木のスタジオへ行って、私の感じていることを話しました。
私自身、前々から、この件の本質は、安倍事務所側がホテルを利用して、有権者に普通ではあり得ない格安の料金で飲食させ、払わずに済んだ分を「寄付」(公選法や政治資金規正法で禁止されている)したことだろうと見ていて、事件としては、情を知らない、あるいは安倍事務所側と共謀したホテルも関与した事件という構図だろうと見てきました。
ホテルが取りっぱぐれた分を安倍事務所側が補填していたようですが、そういった政治資金の支出が収支報告書に記載されていなければ、「不記載」として違法であり処罰対象になってきます。
ただ、寄付と言っても1人当たり数千円程度で、本格的に公判請求するような金額に達するには、飲食した「足」の人々を相当数、捜査対象とする必要が出てくるでしょうし、膨大な労力が発生するでしょう。収支報告書の不記載も、数百万円程度で公判請求までするかとなると、そこまではしていないのが従前の処理例ではないかと思います。
敢えて見立てれば、不起訴か、安倍事務所の秘書か誰かが罰金を払って終わり、といった「小さくまとめる」落とし所がありそうな気はするのですが、報道を見ていると、特捜部が結構大掛かりで本気になって動いているようでもあり、単純に、そう割り切れないものも感じます。
背景には、黒川問題で追い落とされかけた現検事総長や、本来、政界捜査がメインである特捜部の意気込み、やる気といったものもありそうであり、捜査の行方について、軽々に即断するのは、現時点では難しいように思います。