http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161219-00000087-jij-soci
地検は、ASKAさんが「尿」として任意提出していた液体からは覚せい剤成分が検出されたが、液体がASKAさんの尿と立証するのは困難だと説明した。
捜査関係者によると、ASKAさんは逮捕後、液体について「あらかじめ用意したお茶を尿の代わりに入れた」などと説明。液体が少量だったため再鑑定はできなかったという。
覚せい剤使用事件における尿は、使用事実を立証する上で極めて重要な、根幹をなす証拠ですから、警察が採尿を行う際には、厳格に、後日の紛争を生じない手続で行うことになっています。例えば、尿を入れる容器は被疑者自身が水で洗い「元々、覚せい剤成分が混入されれいた」といった主張、疑いが生じないようにしますし、トイレでの排尿に警察官も立ち会い不審な行動がないかどうか確認し、排尿して容器に入れた尿は、被疑者が自ら(通常は取調室で)封をして、封をした紙に氏名を書き指印をして、こういった一連の手続は証拠化するため警察官により写真撮影されるものです。一連の手続がきちんと行われていれば、上記のような弁解が崩せないということにはならないはずで、本件では採尿手続が十分な慎重さをもって行われなかった可能性が高いでしょう。なお、鑑定に供された尿は、全量消費されるのが普通です(従って、後日の再鑑定はできないのが通常です)。
警察の尿鑑定の適正さ、厳格さに疑問を投げかける結末という印象を強く受けるものがありますし、その点、適正捜査を警察内部において改めて徹底する必要があるでしょう。