スティーブ・ジョブスは子どもに対してはローテクの親だった

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ちょうど、アップルの最初のタブレットが店頭に出回りはじめたころだ。すると彼は「うちの子どもたちは、まだ使ったことがないんだよ。家では、子どもたちがテクノロジーを使う時間を制限しているからね」と言ったのだ。

私はジョブズに、子どもたちは彼が作ったデバイスを使う代わりに何をしていたのかを聞きそびれたので、彼の家で多くの時間を過ごした、『スティーブ・ジョブズ』の著者であるウォルター・アイザックソンに連絡をとってみた。
「スティーブは、毎晩キッチンにある大きな長いテーブルで必ず夕食をとり、本や歴史、その他あらゆることについて話していました。iPadやコンピューターを取り出す者は誰もいませんでしたよ。彼の子どもたちが、デバイス中毒になっている様子は、まったくみられませんでした」とアイザックソンは言った。

情報収集、取捨選択、分析、統合といったことは、トレーニングして身につける段階では、楽をするのではなく、むしろ苦しんで苦労しつつ試行錯誤して身につけるべき部分が大きいような気がします。デジタルデバイスは、そういった作業を楽にしてくれるものですが、まだそういった手法が身についていない、幼い段階で過度に依存することで、頭の中味をブラッシュアップできなくしてしまう、そういう危惧は確かに感じますし、スティーブ・ジョブズほどの人物は、そういうことを鋭く見抜いて子供達の使用に制限をかけていたのだろうと感じます。
こうした機器が普及するようになって、まだそれほど時間が経っていない中、特に発達段階の子供達がどのように接するべきかは、今後も議論、検討が重ねられるべき問題でしょう。個人的には、大学を出るくらいまでは、デジタル化、断片化した情報に過度に接することなく、じっくりと本を読んで考える、といったことをやっておくのが良いのではないかと感じます。