汚職捜査“冬の時代” 13年、全国の贈収賄摘発最少25件

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006734248.shtml

収賄事件の立件には、密室でのわいろ授受を立証しなければならない。端緒となる情報を入手し、複数の関係者から供述を得るには、強固な人間関係と、長く地道な捜査が不可欠だ。

検察庁にも姿勢の変化がうかがえる。2003年の鹿児島県議選をめぐり、違法な取り調べで自白が強要された「志布志事件」や、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件など不祥事が発覚。供述調書の信用性が公判で争われるケースも多く、ある中堅検事は「従来のような関係者の供述頼みでは起訴できなくなっている」とする。

こうした贈収賄事件の捜査では、

・いかにして捜査の端緒をつかむか
・端緒を得た後、いかに事件として伸ばすか

が問われるもので、おそらく、両方で行き詰まりを見せているということではないかと思います。贈収賄というものは、公務員の権限と人間の欲望がある限り多少の増減はあっても激減したりはしないもので、摘発を免れている暗数が多数あると見るべきでしょう。
捜査の端緒が得られても、そこから先へと伸ばすために、現状では「供述」に依存せざるを得ませんが、その供述の引き出し方が相当困難になっている現状があります。関係者は口が固く、また、弁護士とも相談しガードを固めて捜査機関に対して臨みますから、従来型の、取調べで説得して真相を語らせる、という手法では限界に来ている、そのことが記事にあるような摘発件数の減少となって現れていると言えるでしょう。
おとり捜査や潜入捜査、司法取引といった、新たな捜査手法も検討すべき時に来ているように思いますが、日本のカルチャーに合うのか、国民の意識がそういった捜査手法を許容するのかという問題もあり、一筋縄では行かない面があります。今後の幅広い観点からの議論が必要なところだと思います。