http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140206-00000016-ykf-ent
「現代のベートーベン」として米TIME誌も紹介していた人気作曲家の偉業は、詐欺罪にあたる可能性も出てきた。
詐欺は、相手を欺き、欺く行為により錯誤に陥った相手(被害者)が財物や財産上の利益を拠出することで成立します。本件では、問題の人が「耳が聞こえない状態で」「自ら作曲した」ことが本質的な要素であったと考えられますから(特に「自ら作曲したこと」)、欺く行為は会ったと言えるでしょう。
実務的に、詐欺罪(刑事上の)で捉えるとすれば、どこで捉えるか、ということになると思います。CD等の購入者レベルで捉えると、1件あたりの被害額が数千円程度になってしまい、「実害」という点でインパクトの弱い詐欺になってしまいます。
立件するのであれば、例えば、講演会、コンサート等で数十万円、数百万円のギャラが発生したような案件や、あるいは、レコード会社等から印税が入ってきた経緯のどこかを、詐欺で捉える、ということは考えられます。そういった案件が何件かあれば、被害額が千万単位に乗ってきて、立件になじむものになってくる可能性はあるでしょう。
また、NHKスペシャルで、嘘を前提にした番組が制作され放映された、という点を捉えて、偽計業務妨害罪として捉えることも、可能性としてはあり得るように思われます。