http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2204X_S3A220C1CR8000/
複数の事件で罪に問われた男性被告(60)が関与を認めた事件の動機や手口の特徴を、別の否認事件の証拠とできるかが争われた裁判の上告審決定で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は22日までに、「相当程度類似した顕著な特徴がない限り許されない」との初判断を示した。
最高裁は昨年9月、前科による被告の犯人性立証は原則認められないと初判断。今回は余罪の取り扱いにも同様に厳しいハードルを課した形だ。
最高裁のサイトで全文がアップされています。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130225093439.pdf
その中で、核心部分は、
前科に係る犯罪事実や被告人の他の犯罪事実を被告人と犯人の同一性の間接事実とすることは,これらの犯罪事実が顕著な特徴を有し,かつ,その特徴が証明対象の犯罪事実と相当程度類似していない限りは,被告人に対してこれらの犯罪事実と同種の犯罪を行う犯罪性向があるという実証的根拠に乏しい人格評価を加え,これをもとに犯人が被告人であるという合理性に乏しい推論をすることに等しく,許されないというべきである。
という点ですね(例外になり得る要件を赤字にしておきました)。
この決定でも触れられ、本ブログでも
前科を証拠に使うには「明確な特徴」必要 最高裁初判断
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120907#1347008622
とコメントした、最高裁判例に照らせば、余罪についても同様の判断になることは予想されたものでした。最高裁としては、特に裁判員裁判を視野に入れ、前科、余罪を通じて適用される基準は同じであることを早めに明確にしておくべきだと考えたのでしょう。前科に関する判例と並んで、重要な判例であると思います。
追記: