中国、甘言の裏で“威嚇” 訪中「成功」の公明党、頭抱える

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130206/stt13020620550007-n1.htm

中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題で、訪中を「成功」させたばかりの公明党が頭を抱えている。
山口那津男代表ら党訪中団は1月25日に中国共産党習近平総書記との会談にこぎつけ、会談で習氏から日中首脳会談の実現に向け「積極的な雰囲気をつくることが大事だ」との言葉を引き出した。公明党側も「重要な一歩」と評価していたが、その前後に軍事衝突に発展しかねない事態に直面していたことになる。

「甘言」というのは、「人の気に入るような口先だけのうまい言葉」とされていますが、上記の総書記の言葉が、甘言だったのか、そうではなく真意であったにもかかわらず軍が暴走したかについては、慎重な見方が必要でしょうね。
日米開戦に至る直前でも、よく知られているように、昭和16年9月の御前会議で、対連合国との開戦は避けられないとされた際に、昭和天皇が、極めて異例なことでしたが、

四方の海 みなはらからと 思ふ世に など波風の 立ちさわぐらん

という、明治天皇御製を詠み上げて、平和を願う大御心を明らかにされましたが(映画「トラトラトラ」でも、近衛首相が山本五十六連合艦隊司令長官にこれを打ち明け山本長官が、それは平和を願う陛下のお気持ちを明らかにされたものではないですか、と憤然として迫るシーンがあります)、その後も開戦回避への動きがあったものの、国策を誤り、開戦へと突き進んでしまいました。
国策を誤ったのは、当時の日本の指導者でしたが、その背景には、対外膨張を積極的に支持し煽りたてたマスコミ、世論の存在があったことも見逃すべきではないでしょう。歴史は、喜劇的な様相を呈しつつ悲劇的に繰り返されるものです。
様々な国々に対し、毅然と対応することは重要なことですが、緊張を煽りたてることで得られるものはなく、むしろ失うものののほうが大きい、ということを、我々は、歴史にも学びつつ忘れず、冷静に対処することが求められていると思います。