「老朽化リスク軽視」笹子トンネルで専門家指摘

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121209-OYT1T00480.htm?from=rss&ref=rssad

早稲田大の小泉淳教授(トンネル工学)は「より安全な構造に変更することは可能だったはず。老朽化のリスクを軽視していたのではないか」との見方を示す。
中日本高速道路が、過去の点検や補修の状況を正確に把握していなかった実態も浮き彫りになった。

車の場合、特に外車に多いですが、新車で納入した後の、初回の車検までの3年間、メンテナンスフリーにして、通常使用中の故障は無料で直します、というサービスをつけていることがあります。しかし、あれは、当初の3年間は、まだ部品も新しくそれほど故障はしない、ということで成り立っているもので、車も機械ですから、乗っている年数が長くなるにつれ故障することも増え部品交換にお金がかかってくるものです。
自分の物であれば、注意して、かけるべきお金をかけて、ということが可能ですが(その負担が重ければ思い切って買い換える、という選択にもなります)、公共のインフラのようなものは、そういうことができませんから、安全管理者が適切に点検、管理しないと、今回のトンネル崩落事故のような大惨事も起き、それを、ただ利用している(高速道路の場合は、安くない通行料金を負担していて、ただ単に利用しているわけでもありませんが)我々は避ける術がありません。そこが、とても恐ろしいことだと思います。
先日も、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20121202#1354433936

で、

昭和30年代以降、東京オリンピックをはさみ、さらには列島改造ブームもまたいで、全国で次々と道路、トンネル、橋等が建設されてきましたが、それらは、年月を経て、当然、老朽化してきています。本件事故の背景には、そうした、一般的、普遍的な問題も存在しているような気がします。

とコメントしましたが、我々は、考えている以上に、「見えざる危険」に囲まれ薄氷を踏むような状態の中で生活しているのかもしれません、
今月の衆議院議員総選挙を経て、おそらく新政権が成立することになるはずですが、憲法改正国防軍といった、勇ましく華々しい、国威を発揚するような施策にかまけるだけでなく、人々の生命、身体、財産の安全に直結するような、こういった問題にも、最優先で取り組んでほしいという気がします。今回の事故で亡くなった人々は、ある人はまだ若く、充実した生活を楽しみ、今後に夢、希望を持ち、ある人は老夫婦でいたわり合いながら静かに平和に暮らし、ある人は中堅社員として真面目に仕事に取り組み最期には親へのメッセージを残すような心優しい人でした。そういった人々の無念の死を無にしないためには、このような悲惨な事故を起こさず不幸な人々を生まないためには何をすべきか、政治の役割は何か、ということを、今後、当選する人々には真剣に考えてもらいたいものです。全国で、こうした危険のある施設等の安全管理を行なっている組織、人は、心して臨むべきでしょう。