「うれしい」何度も=マイナリさん、無罪に喜び―東電OL殺害

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000056-jij-soci

東京電力女性社員殺害事件の再審で無罪とされたゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)は7日、ネパールの首都カトマンズの自宅バルコニーに姿を見せ、手を振りながら「うれしい」と何度も繰り返し、喜びをかみしめた。

この事件の反省、教訓として、今後、特に検討されるべきと私が考えているのは、

1 同じ証拠(状況証拠)を評価しながら、1審無罪→2審逆転有罪と、正反対の結論を導いた、状況証拠による事実認定の在り方(特に2審が犯した重大な事実誤認の原因)
2 再審無罪の決め手となった遺留物のDNA鑑定やその前提となる証拠開示が、確定判決までにどこまで可能であったか、可能な方法により誤った判決は避けられなかったか
3 再審請求段階での証拠開示や鑑定の在り方(現行法上、何ら定めがなく裁判所の裁量に委ねられているだけという現状をいかに改革すべきか)

といったことではないかと思います。
証拠開示については、検察庁が、有罪、無罪の判断を分けるような重要証拠を握っていても、被告人、弁護人側がアクセスすることも活用することも極めて困難(公判前整理手続が導入されるとある程度の前進が可能にはなっていますが)、という現状の法制度を、明確に「欠陥」と捉えて、再審段階も含め、早急に大きく改革すべきでしょう。